イノベーションのジレンマ 前編 ~なぜ実績のある企業が衰退するのか~
顧客の声に耳を傾けたら衰退する!?
こんにちは。かずぽんぬです。
昨日は残念ながら、天気が持ちませんでした。
久しぶりにテニスするつもりだったのに...
なので、読書をすることにしました。
いま読んでいるのは、こちら!!
『イノベーションのジレンマ』クリステンセン著
です!!
いまや超有名な一冊。
「なぜ実績のある企業が衰退していくのか??」
「では実績のある企業はどう対応すればいいのか??」
について書かれています。
今回はそのうち、
「なぜ実績のある企業が衰退していくのか??」
について書いていこうと思います。
そもそも技術革新には二つの種類があります。
1.持続的イノベーション
2.破壊的イノベーション
持続的イノベーションとは、
既存の顧客が求めている性能の向上を持続させるイノベーションであり、実績のある企業が得意とする領域です。
それに対して、破壊的イノベーションとは、
既存の顧客が求める性能の向上ではなく、未知の市場で求める新しい性能の向上を意味します。実績のある企業はこちらが弱いです。
ここで問題となるのは、
当初は既存市場にとっては価値のない破壊的技術が、別の市場での経験を経て、既存市場にとっても価値のある技術に進歩するからです。
下の図をご覧ください。
ここでディスクドライブ業界を例にして説明します。
ディスクドライブ業界では、1970年代後半には8インチドライブの技術で、ミニコン市場が主流でした。
ミニコン市場では、容量という性能が顧客に重要視され、代わりにサイズは全く重要視されませんでした。
そのため、既存企業は、容量を改良する持続的イノベーションを推進していました。
図でいうと、上の青い斜線です。
しかし1980年代には、5.25インチドライブという技術が登場します。
この技術は容量の面では、8インチよりもはるかに劣っており、既存のミニコン市場で実績のある企業は全く気にしませんでした。
しかしこの技術は、容量で劣る代わりに、低価格で小型化の面では、8インチより優れていました。
そのため新規参入企業が、この技術でよりローエンドな市場であるデスクトップ市場を開拓します。
合理的な経営の大前提として、企業は粗利益率が高い、ハイエンドの市場を狙います。
そのため、デスクトップ市場で参入した企業は、そこでの積み上げた経験で、容量の面での持続的なイノベーションを行います。
これが、図の下の青の斜線です。
すると、どうなるか?
当初は眼中になかった5.25インチの技術が、持続的イノベーションを通じて、容量の面でミニコン市場のボトルネックを満たしてしまいます。
そうすると、8インチよりも低価格で容量の基準も満たす5.25インチをミニコン市場の顧客が選んでしますのです!!
これにより、実績のある企業は衰退します。
つまり、既存の市場は顧客が求める性能を的確に向上させ、合理的に判断した結果、新規参入企業に負けてしまったのです。
合理的に企業の成長のために行う持続的イノベーションと、非合理的にリスクの高い新市場を狙う破壊的イノベーションの相反する二つに直面する点が、イノベーションのジレンマなのです。
本では、より詳細にこのジレンマについて書かれています。
ぜひ読んでみてください。
次回は、「では実績のある企業はどう行動すべきか?」をまとめていきます!!